伝説のビートルズ「アビイ・ロード」ジャケット写真-イアン・マクミラン-

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ザ・ビートルズの『アビイ・ロード』アルバムのジャケットは、写真家イアン・マクミランによって撮影された歴史的な作品です。

この写真は1969年8月8日、ロンドンにあるアビイ・ロード・スタジオの外で撮影されました。ビートルズのメンバーがゼブラクロスを横断する姿が捉えられており、そのシンプルでありながら強烈なビジュアルは、ポップカルチャーのアイコンとなりました。

撮影は朝早く行われ、リンゴ・スターが述べたところによると、「10分もかからずに撮影が終わった」とのことです。イアン・マクミランははしごの上に立ち、警察官の協力のもと、交通を一時停止させて撮影しました。

彼が撮影した6枚の写真の中から、ビートルズは最終的に現在知られるジャケット写真を選びました。

この写真の象徴的な意味合いは、ビートルズが「左から右へ」歩いていることに象徴されています。これは当時のイギリスの交通ルールを反映しており、また、それぞれのメンバーの服装や姿勢も、バンド内の状況や個々のキャラクターを表しているとされています。

ザ・ビートルズには数多くの面白く興味深い話がありますが、その中でも特に印象的なのは、彼らが「バックマスク」と呼ばれる技術を使用したことです。これは、音楽を逆再生することで隠されたメッセージや音が聞こえるというもので、ビートルズは1960年代のアルバム『リボルバー』や『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』でこの技術を採用しました。

特に有名なのは、『サージェント・ペパーズ〜』の曲「レボリューション9」で、逆再生すると「ターン・ミー・オン、デッドマン(私を起こして、死んだ男)」というフレーズが聞こえるとされています。

これは、当時流れていた「ポール・マッカートニーが死んだ」という都市伝説を煽るものでした。実際には、この噂は完全なデマで、ビートルズ自身もそれを楽しんでいたと言われています。

また、ビートルズは彼らのアルバム『アビイ・ロード』のジャケット写真で、ポールが素足で歩いていることによって「ポールは死んだ」という噂をさらに煽りました。このジャケット写真は、彼らの最も有名なビジュアルの一つとなり、ファンやメディアによって様々な解釈がなされてきました。

※貴重なビートルズポスター/リチャード・アベドン

このように、ザ・ビートルズは音楽のみならず、メディアやファンの間で話題を作ることにも長けていました。彼らの創造性は音楽業界に多大な影響を与え、今日でもその影響は色褪せることがありません。彼らの音楽だけでなく、これらのエピソードもビートルズの魅力の一部として語り継がれています。

このジャケット写真は、その後数十年にわたって数え切れないほどの模倣やオマージュを生み出しました。ビートルズとイアン・マクミランの共作によるこの作品は、音楽だけでなくビジュアルアートの分野でも革命的な存在となり、アルバムカバーアートの歴史において特別な地位を占めています。

アビー・ロード・スタジオ前のこの横断歩道は、人気の観光スポットとなっており、道路は現在も通常に使用されているにも関わらず、ジャケット写真のポーズを取る観光客が後を絶ちません。

イアン・マクミラン自身は、この作品によって世界的な名声を博し、その後も多くの有名アーティストやバンドの写真を撮影しました。

しかし、彼のキャリアの中で『アビイ・ロード』のジャケット写真ほど影響力のある作品は他になく、彼の死後もなお、この写真は彼の最も記憶に残る遺産として残り続けています。

このアビイ・ロードのジャケット写真は、ビートルズの音楽とともに、ポップカルチャーの不朽の名作として世界中で愛され続けています。そのシンプルながら深い意味を持つイメージは、音楽とアートの融合が生み出す可能性の素晴らしい例と言えるでしょう。

本記事で掲載しているポスター作品は当時レコードショップなどに配られた非売品の貴重な作品となります。

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